由布院の町づくり振り返る 大分
13日夜、閉幕した大阪・関西万博。
全国各地、そして世界中から多くの人が訪れました。
大分県内でも見られた万博の波及効果について取材しました。
2025年4月から半年間に渡って開催された大阪・関西万博。累計の来場者数は2500万人を突破し、大盛況の中、13日閉幕しました。
14日朝、別府港には大阪からのフェリーが到着。最終盤の万博を楽しんできたと話す乗客たちがいました。こちらの家族は12日、会場を訪れたそうです。
◆万博から帰って来た人
「すごくよかった。思った以上にパビリオンを回れた」
会場では公式キャラクターの「ミャクミャク」の像の前で記念撮影をしたり、大屋根リングのそばで花火を見たということです。
また、こちらの家族は13日夜、フェリーの上で見た万博会場の光景が印象に残っているといいます。
◆万博から帰って来た人
「花火も船から見ることができ、最高にきれいだった」
万博を楽しんだ乗客たちが利用したのは大分と関西を結ぶフェリーさんふらわあです。
別府発着のフェリーが結ぶのは大阪南港。万博会場まで所要時間は10分ほどの場所です。
こうしたアクセスの良さが追い風となり、2025年4月から9月までのさんふらわあの乗船客数は2024年と比べておよそ2割増加しました。
◆商船三井さんふらわあ大分支店 小野剛さん
「まさしくフェリーを使って九州の人が万博に行ったということだと思っている」
さらに、新たな客層も獲得でき、今後につながる大きな経済効果があったということです。
◆商船三井さんふらわあ大分支店 小野剛さん
「インバウンドの数字の約6割が欧米豪ということで、すごく今、伸びが見られている状況」
一方、こちらは大分の空の玄関口、大分空港です。万博の開催にあわせて、2025年4月から愛称を「大分ハローキティ空港」に。
当初は13日までの予定でしたが、好評だとして2026年3月までの延長が決まっています。
◆県観光局 渡辺修武局長
「楽しんでもらいながら大分に着いて、 大分の魅力を満喫した後、またハローキティ空港から帰るという楽しい旅ができたのでは」
大阪観光局によりますと、2025年8月までに大阪を訪れた外国人観光客数はおよそ1126万人。万博効果もあり過去最多となりました。
こうした中、宿泊施設が抱えるある課題の解決に、大分生まれのサービスが注目されています。
◆LostItemDelivery 吉永陽介社長
「訪日外国人の忘れ物を施設の代わりに代行で配送するサービス。ホテル側の人手不足の問題解消と 外国人の安全安心な旅行の2つを解決できる」
従業員わずか10人の大分市の企業が手掛けるのは外国人観光客の忘れ物配送サービスです。
宿泊施設の負担になっていた持ち主とのやり取りや国ごとに異なるルールに応じた配送にも対応。
全国およそ1200の宿泊施設と契約しています。
万博が開催された大阪で対応した忘れ物の数は2025年4月から9月までで、2024年のおよそ4倍に。
万博後も外国人観光客が多く訪れることが見込まれることから、大阪観光局と業務提携しました。
忘れ物を配送する際、添えるのは折り鶴。サービスを通じて、日本の良さを伝えたいということです。
◆LostItemDelivery 吉永陽介社長
「忘れ物を送ることで、日本のことが好きになっていいと思ってくれれば」
◆県観光政策課 相本健二課長
「大変多くの方に大分の魅力を伝えることができたのではないかと思っている」
県庁では14日、県内の観光関係者が集まる会議が開かれ、万博期間中の県の取り組みが報告されました。
この中では、2025年9月、万博会場で県が九州各県と合同でPRブースを設置したことも報告されました。
日田市出身の諫山創さんが手掛けた人気漫画「進撃の巨人」や日出町のハーモニーランドに関する展示などを行い、3日間でおよそ1万7000人が訪れたということです。
こうした万博を通じたPRに県は、手ごたえを感じているとする一方、出席した観光関係者からは、「万博で多くの旅行客が訪れると期待していたがそうはならなかった」 といった声も上がっていました。
県は今後、万博に来た人がどのくらい県内を訪れたのか分析することにしています。
大盛況で閉幕した万博。
そのレガシーを生かすための取り組みが求められます。